曲目解説_シューマン「詩人の恋」_その1

後半は、
Robert Schumann による連作歌曲「詩人の恋」
Dichterliebe Op.48

です。

この、「詩人の恋」は通常、男性が歌う曲。
声の高い男性テノール用と、低い声のベース用とあります。

女性でも、ナタリー・シュトゥッツマンとか声の低い歌手のCDは持っていました。

そして、ソプラノのバーバラ・ボニーのCDを発見した時に、私も歌ってみたい!と思ったんですね~

しかし、声の細い私が歌うのは、山あり谷あり(笑)。
1年近くかけて、なんとか形に仕上げました!

歌詞はH.ハイネ。

ハイネの詩集「歌の本(Buch der Lieder)」64篇の中から16篇が抜き出されて、クララとの結婚を控えたシューマンは、1840年の5月に一気に作曲しました。

ハイネは毒のある詩を書きます。
シューマンは結婚を控えているとは言え、後に精神病に悩まされるこれまた毒の強いお方。
この二人がタッグを組んだら、そりゃあもう(笑)。

この「詩人の恋」では、16曲すべて幸せ~なだけで終わっているものはありません。
歌は幸せそうでも、ピアノの後奏は意味ありげな暗い和音だったり!

あ!シューマンは、前奏が短く後奏が長いのが特徴です。
ずっとこのスタイルが苦手だったのですが、この連作歌曲に取り組んで、まったく苦手はなくなりました!

では、まず1曲目

1. Im wunderschönen Monat Mai

美しい五月に
すべての蕾が花開いた時、
僕の心にも
恋が芽吹いたんだ。

・・・

訳詞;田村靖子 無断転写を禁じます。

Adurの美しい前奏から始まります。

ドイツは、突然春がやってきます。
日本のように三寒四温ではなく、「はい!今日から春です!」って感じで、
五月に突然春がやってきます。

それまで、寒くて鬱々としてた冬から、あこがれの春!

その春と時を同じくして、この詩人さんは恋をするんですね~

でも、ピアノの後奏がなにやら、悲しげな感じで終わります。

今日は、能書きが多かったので、続きはまた明日(笑)。