曲目解説 その1

いよいよ、

田村靖子ソプラノリサイタル」

来週の土曜日に迫って参りました!!!

さて、そろそろ曲目解説を、、、

1部の前半は、シューベルト。

1曲目は「Die junge Nonne」(若い尼)

から始まります。

4分強の曲で、今回のリサイタルでは2番目に長い曲です。


梢を貫きうなる嵐!
梁がきしみ、家が揺れる!
雷が鳴り響き、稲妻が光る!
暗黒の夜はまるで墓のよう!
かまわない。かまわない。
そう、私の胸も同じように
つい先ほどまで荒れ狂っていた!

・・・・・略

さあ荒れ狂うがいい、強暴な嵐よ!
心の中には平穏があり、静寂があるから!
花嫁が愛しい花婿を待ち焦がれている。
試練の炎に清められ、永遠の愛を信じて。

私の救い主よ、あこがれに満ちたまなざしで
あなたを待ち焦がれています。
来て下さい、天の花婿よ、花嫁を連れて行くために!
この魂をこの世の束縛から解き放ってください!

・・・・・略

お聞き下さい、塔から鳴り響く穏やかな鐘の音を!
その甘い響きが
全能の力で永遠の高みへと私を呼び寄せるのです。
「アレルヤ!」

とても緊迫感のある曲で、転調の効果もすごいです。

この曲で、一気にグッと集中力を高めていこうという作戦!

全訳をプログラムに乗せてありますので、
会場にお越しになるお客様はぜひ読んで下さいね!

できれば、演奏前に読んで頂いて、歌ってる時は演奏者を見て下さると嬉しいです~。

2曲目

「Du bist die Ruh」(あなたは憩い)

こちらも4分強で、今回の一番長い曲。

シューベルトは、長い曲が多いですが、
1曲目と2曲目が長いのはたまたまです(^_^;)


あなたは私の憩い、穏やかな安らぎ、
あこがれであり、それを満たす人。
たくさんの喜びと痛みと共に
私のまなざしと心をあなたに捧げます。

・・・・・略

このまぶたを、あなたの光だけで照らし
輝きですべてをいっぱいにして下さい。

こちらは一転して、静かで安らぎと憧れをこめた情熱に満ちた曲。

音友の「名曲解説全集」によると

歌もまた静かな情熱をたたえて緊張した清純な旋律で歌われる。
簡素な上行旋律の中に幅の広い情熱がもられ、
清澄な迫力のある盛り上がりが要求されるので、
歌唱にはよほど練れた技術が必要である。

ワオ!!!(笑)

3曲目

「Nacht unt Traeume」(夜と夢)

これも、ゆっくりの美しい曲。

聖なる夜よ、お前が深まると
夢もまたお前の月の光のように
人々の静かな胸へ
打ち寄せる。

人々はその夢に心をあずけ
夜が明けてしまうと呼びかける。
戻ってきておくれ、聖なる夜よ!
やさしい夢よ、戻ってきておくれ!

今の所、3分半で歌ってるんですが、リハーサルの響きによっては
もっと遅くする可能性があります。

ドイツ人にとって「夜」というのは特別なもの。

夜を題材にした曲は、この後のブラームスでも出てきます。

お客様が、綺麗な星空を思い浮かべてくれるといいな~と思っています