曲目解説 その2

さてさて、ここでプログラムを紹介しておきます。

Schubert(シューベルト)
Die junge Nonne / 若い尼
Du bist die Ruh / あなたは憩い
Nacht unt Traeume / 夜と夢
Lachen und Weinen / 笑いと涙
Der Musensohn / ミューズの子

Brahms (ブラームス)
Es steht ein Lind / 菩提樹が一本立っている
In stiller Nacht / 静かな夜に
Vergebliches Staendchen / 甲斐なきセレナーデ
Nachklang / 余韻
Die Mainacht / 五月の夜

團伊玖磨
六つの子供のうた
いたち
ひょうたん
秋の野
さより
からりこ
雪女

Wolf(ヴォルフ)
aus Gedichte von Eduard Moerike / メーリケ歌曲集より
Das verlassene Maegdlein / 捨てられた少女
Verborgenheit / 隠れたもの
Begegnung / 出会い
Der Gaertner / 庭師
Er ist’s / 春だ!

先日、シューベルトを3曲ほど紹介しましたので、
本日は、ブラームスを。

ブラームスは、Deutsch Volkslieder というドイツ民謡を編曲した
民謡集を出版しています。

その中から2曲を歌います。

Es steht ein Lind (菩提樹が一本立っている)

あの谷に菩提樹が一本立っている、
ああ神様、そこで何をしているのだろう?
菩提樹は私と一緒に悲しんでくれるのね、
私が愛する人を失ったから。

・・・・・

簡素で美しいメロディーとピアノは、民謡ならでは!

でも、逆に退屈させないように演奏するのは難しい(^_^;)

ま、いろいろ試行錯誤しています。お聞き下さい(笑)。

In stiller Nacht (静かな夜に)

静かな夜に、最初の夜回りが通る頃、
ある悲しい歌声を
夜の風が甘く優しく
私に運んできた。
つらい苦しみと悲しみに
私の心は溶けて流れ、
その涙をすべての花に
注ぎかけた。

・・・・・

この曲のドイツ語は、辞書に載っていない単語がいっぱい!

ドイツ語の先生に聞いたら、先生がドイツの大学で古語として習ったことがあるとか。

シューベルトの時にも書きましたが、
ドイツ人(ドイツの詩人)は、「夜」への思い入れが深い!

やっと日が沈んで夜になった。
さあ、嘆き悲しもう、、、って感じでしょうか。

なにげにフレーズの長い、壮大な曲です。

Die Mainacht(五月の夜)

銀色の月が藪を抜けてきらめき、
そのまどろむ光を芝生にまき散らす。
そして、夜鶯がさえずる時、
私は悲しく藪から藪へとさまよい歩く。

・・・・・

私の心に光り輝く
朝焼けのように微笑む姿よ、
いつこの世であなたを見つけるのだろう?
そして孤独の涙がさらに熱く、頬を震え落ちる。

ドイツの五月は、日本の四月くらいにあたる春が来る頃、
そのわくわくする春に、嘆き悲しむ夜、、、

寂しさの中に甘さのある、名曲中の名曲!!

最後の herab を herabbeben の分離動詞として訳してみたんで、
このような訳になったんだけど、どうなんでしょうね!?

私がそう思って訳して、そう歌ってるって事で、良しとして下さい(笑)。