曲目解説_R.シュトラウス_その2

前半最後、R.シュトラウスの後半です。

Freundliche Vision
懐かしい面影

O.J.ビーアバウム の詩です。
Op.48-1 同じOp.48には、有名な「Kling!」があるのですが、他の曲と合わないので、こちらを選択。
なかなか、渋い選択です!

眠りの中で夢見たのではなく
明るい昼間に美しく私の前にあるのを見た。

マーガレットにあふれる草原、
緑の茂みの奥深くにある白い家、
葉の間から神々の姿が輝く。

そして私を愛してくれる人と共に行く
涼しさの中を穏やかな心で。

美しさに満ちた平穏のこの白い家が待っている
私たちが来るのを。

・・・
訳詞;田村靖子 無断転写を禁じます。

ピアノのゆったりした分散和音が、徐々に展開して変化していきます。

歌の旋律は、R.シュトラウスにしては、比較的おだやか。

しかし、その合間に、シュトラウスならではのオシャレな装飾がす~っと入っています。

大きなうねりで盛り上がって、静かに終わっていく、幸せですが厳かで壮大な曲になっています。

Schlagende Herzen
ときめく心

こちらも O.J.ビーアバウム の詩です。


草原を野原を一人の少年が行く、
ドキドキ 彼の胸は躍っていた。
指には金の指輪が輝く、
ドキドキ 彼の胸は躍っていた。

・・・

草原を野原を春の風が通り過ぎる。
山を森を春の風が通り過ぎる。
僕の心の中も春の風が通り過ぎ
静かにやさしく、きみのもとへと急がせる。
ドキドキ 彼の胸は躍っていた。

草原と野原の間にひとりの女の子が立っていた、
ドキドキ 彼女の胸は躍っていた。
目の上に手をかざして、
ドキドキ 彼女の胸は躍っていた。

草原を野原を越え
山を森を越え
彼が私のもとへ急いでやって来るわ。
ああ、早く来てくれないかしら。
ドキドキ 彼女の胸は躍っていた。

訳詞;田村靖子 無断転写を禁じます。

男の子を見ている目線から、男の子の目線へ、そして彼を待っている女の子を見ている目線、女の子の目線へと歌われます。

とても可愛い曲です。

が、R.シュトラウスらしく歌うのは大変(^_^;)

最初の頃は、戦闘にでも行くのかという歌い方でした(笑)。

テンポを変えたり、色々工夫しまして、なんとか初々しい恋人っぽくしています!

前半の彼の目線では

kling klang, schlug ihm(彼) das Herz.

後半の彼女の目線では
kling klang, schlug ihr(彼女) das Herz.

という歌詞なのですが、早口すぎるので、聞き取れへんやろ!

と思っていましたが、やはりこのクラスの作曲家は天才!!

和音が違うのです!

ihm(彼) と ihr(彼女) が聞き取れなくても、それらしく聞こえるようにできている!

ぜひ、会場でお聞き下さいませ~

では、次回は、いよいよ後半の「詩人の恋」へ!!!