曲目解説_フォーレ その1

いよいよ近づいて参りました!!

10月26日(土) 田村靖子ソプラノリサイタル

あと10日後です!!!!

前半は、Gabriel Fauré フォーレの歌曲から始まります。

Le papillon et la fleur

ヴィクトール・ユゴー作詞の「蝶と花」

これは、Op.1-1
つまり、フォーレが初めて作曲した歌曲です。

もちろん、Op.とは作品番号ですので、作った曲順でないことも多いですが、
この曲は初めての曲であると、書物にも記されています。

哀れな花は空の蝶に言いました、
遠くへ行かないで!
私たちの運命は違うので
私はとどまり、あなたは行ってしまう!

・・・・・

でも、ああ!風があなたを連れ去り
私は大地に囚われる、非情な運命!

・・・・・

ああ、私たちの愛が誠実に
日々を過ごせたら、我が君!
私のように根をおろすか、
私に翼を与えて下さい、あなたのように!

訳詞;田村靖子 無断転写を禁じます。

とても軽やかで可愛らしい曲ですが、内容は「行かないで~」と何ともドロドロした歌です!

フランスらしい小粋な感じの曲ですよ。

二曲目は、しっとりと愛しい人への思いを歌う

Lydia

ルコント・ドゥ・リール作詞の「リディア」

リディア、おまえのバラの頬、
清楚な白いうなじの上
ほどけた金色の
きらめく巻き髪が流れる。

もっとも素晴らしく輝くこの日、

・・・・・

秘められたユリは神聖な香りを
おまえの胸に振りまき続ける。

・・・・・

リディアよ、私に生命を返しておくれ、
私がいつでも魂を奪われるように!

訳詞;田村靖子 無断転写を禁じます。

このしっとり感は、フランス音楽ならでは!

三曲目は、これまた甘い甘い歌詞の

Au bord de l’eau

シュリー・プリュドム作詞「水のほとりに」


二人一緒に川の流れの縁に座り、
流れを見る
二人一緒に空の滑りゆく雲を、
滑りゆくのを見る
地平線の藁ぶき屋根から上る煙を、
煙が出るのを見る
あたりを花が香りで満たせば、
香りに包まれる

・・・・・

嫌気のさすようなすべての物にも二人ならば、
嫌気はささず
過ぎゆくものすべての前でも、
二人の愛は過ぎゆかず

訳詞;田村靖子 無断転写を禁じます。

日本語にすると、ちょっとニュアンスが伝わりにくいかもしれませんが、
十のセンテンスから成り立つこの歌詞は、
すべて前半に例えば「passe」流れという単語に対して
後半に「passer」という動詞、
「embaume」香り、に対して「embaumer」香るという動詞が使われています。

そのまま訳すと妙な日本語になるので、訳は日本語を優先にしました。

完全版の日本語訳は、ぜひ当日、会場のプログラムをご覧下さい!!!

追記:
一番最初の「流れを見る」Le voir passer

一番最後の「過ぎゆかず」Ne point passer

は、母音の発音がまったく同じなのですね~

いろいろ隠されていて奥が深いです!!!