曲目解説_三善晃 その1

今回のリサイタルで、日本語の歌は三善晃を歌います。

リサイタルでは、必ず日本語の歌を入れるようにしているんですよ。

日本の歌は、四季すべての歌が揃っていますから、その季節にあったものを歌うようにしています!

てな訳で、今回は「秋」です。

高田 敏子 作詩「四つの秋の歌」

これは1963年に作られました。

後に、女声合唱のための「四つの秋の歌」が編曲されて、1971年に発表されましたが、
独唱曲の方が先だったんですね~

夏休みを積みこんで
汽車は行ってしまった
がらんとした駅のホームには
カンナの花ばかりが赤く
少女は耳をすまして
次に運ばれてくるものを待っている

山すそのあたりに汽笛が鳴り
新しい季節が近づいてきた

少女たちは いつもこうして
何かを待ちつづける

忘れられた海

砂浜は
その面影をとりもどし
海は いま
青の色を深めている
すてられた麦わら帽子も
やがて波が洗い
沖へながれてゆくだろう

オフィスの窓辺で
小麦色の腕が
タイプをたたいている
あなたは しらない
あの麦わら帽子に
かもめの親子が
羽をやすめていることなど

林のなか

少女よ
あなたの隣には
だれもいない
けれど私には見えるのです

旅装をといたばかりの「秋」が
あなたのスケッチブックを
のぞいているのが・・・・・・

そして
あなたのハミングの
「赤とんぼ」をききながら
ここでしばらくやすんでいるのが・・・・・・

枯れ葉

枯れ葉が鳴っている
ほんの少しの風にもゆれて
ささやきあっている

でも こんなひそやかな会話に
耳をすますのは
早すぎる月日の流れに気づく
おとなたちだけだ

子供は枯れ葉をふんで
ドングリを集める
冬にかたむく日に
ほおをほてらせながら

ポケットをいっぱいにする
まわれ! ドングリのコマ

三善晃にしては、聞きやすい曲を選びましたが、まーーーピアノが難しい!!!

長谷さんごめんなさい(^_^;)

でも、さすがです、弾きこなしてくれています。

ぜひ、会場でお聞き下さい!!