さて、1部の後半は、Robert Schumann
シューマンです。
色々考えて、曲順はこのようにしました。
東方のバラより Aus den oestlichen Rosen Op.25-25
月の夜 Mondnacht Op.39-5
森の語らい Waldesgespraeh Op.39-3
待雪草 Schneegloekchen Op.79-27
トランプ占いをする娘 Die Kartenlegerin Op.31-2
リーダークライス(Liederkreis)作品39 より
「月の夜」と「森の語らい」を選びました。
「月の夜」は本当に静かで、美しい曲、
J.v.アイヒェンドルフの詩です。
街灯も何もない、ただ星の光だけで明るく、
目に見えない「私」の思いが
風のように羽ばたいている・・・
そんな曲です。
まるで天が大地に
そっと口づけをしているようだった。
・・・・
森をかすかにざわつかせていった。
とても星の明るい夜だった。
そして、私の心は
広々と翼を伸ばし、
静かな地上を飛んでいった。
まるで家に帰っていくように。
完全版は、ぜひ当日プログラムで!
「森の語らい」も、アイヒェンドルフの詩です。
「夜も遅く、もう寒い、
なぜ一人きりで馬に乗っているんだい?
森は深く、あなたは一人、
美しい花嫁!家まで送ってあげよう!」
・・・・
「今わかったぞ、神よ護り給へ!
お前は、魔女ローレライだな!」
「よくわかったな!高い岩から
私の城は静かにライン川を見下ろしている。
夜も遅く、もう寒い、
お前はこの森から、決して出られはしない。」
この下心丸出しの男の職業は、歌詞にはありませんが、
ピアノの前奏に角笛がモチーフになったフレーズがあります。
おそらく狩人でしょう。
弱々しいふりをしているローレライが、本来の姿に戻った時の歌い方に
是非ご注目下さい(笑)。
休憩前の曲は、シャミッソーの詩の「トランプ占いをする娘」です。
母さんはついに寝ちゃったようね?
説教集を広げたままで。
針よ、静かに休んでなさい、
ずっとお裁縫なんて、もう嫌よ!
さあ、何が待ち受けるのかしら?
トランプ占いの結果はどうなるかしら?
予感は、私を欺かないわ、
私の思っているカードが出てちょうだい。
ほら、来たわ!
ハートのジャックはわかっていたわ。
・・・・
このダイヤのキングは
侯爵様か国王に違いない。
彼に少し足りないもの、
そう、私、お妃様。
残念なことに敵があらわれて、
彼のご機嫌をとろうとするの。
そして、私はブロンドの男の子と良い仲に。
隠しごとがばれてしまう、
今のうちに逃げなくちゃ!
さようなら、すてきな物たち。
ひどい痛手を負ったわ。
ブロンドのあの人はいなくなり、
数えきれない野次馬が
私のまわりに集まってくる。
厚かましい女の顔があらわれた、
息を切らした婆さんだわ。
愛や楽しみを取り上げるのね、
青春はこれからだって言うのに?
ああ、母さんだわ、起きちゃったのね、
小言を並べようと口を開く。
いいえ、トランプは嘘をつかないわ!
最後の「厚かましい女」というのはジョーカーのことでしょうね。
こまっしゃくれた女の子が、トランプ占いをしながら妄想しています。
そう言えば、妹も幼い頃に妄想癖があったな(笑)。
とにかく喋り捲るように歌う曲です。
ぜひ、お楽しみ下さい